麻について

春夏に目にする事も多くなる麻素材ですが、お客様に麻とリネンの違いがよくわからないとゆわれる事があります。確かに分かりにくいと思います。恥ずかしながら私自身もあれ?となる時があります。

そんなこれからの季節に最適な”麻”についてのお話です。

同じ”麻”と呼ばれながらも原料となる植物は、亜麻(アマ)、苧麻(チョマ)、黄麻(コウマ)、大麻、洋麻、マニラ麻、サイザル麻など20種程あります。

“麻”とはこれらの植物の茎や葉から作った繊維の総称の事です。

 

繊維から糸や織物となり、亜麻→リネン、苧麻→ラミー、黄麻→ジュート、大麻→ヘンプ、

洋麻→ケナフ、マニラ麻→アバカ、と呼ばれるようになります。

 

種類によって茎からと葉から繊維をとる物に分かれます。

茎からは靭皮繊維(じんぴせんい)が作られ、葉からは葉脈繊維(ようみゃくせんい)が作られます。

靭皮繊維は、葉脈繊維よりも柔らかく、用途として衣類や家庭用品等によく利用されています。その代表が、リネン(亜麻)とラミー(苧麻)です。

また、夏に活躍するカゴバックの中でも麻はあります。サイザル麻やアバカ等、しっかりと強度のある物は葉脈繊維から作られている物が多いです。ロープや麻袋、絨毯等にも使われます。

            (ケニア産サイザル麻のカゴバッグ)

洋服等でブランドの下げ札にはリネン製品と表示されていても、品質表示は麻100%と表示されている事があると思います。それは家庭用品品質表示法によりリネン(亜麻)とラミー(苧麻)のみ”麻”と表示する指定があるからです。

逆にリネンとラミー以外の麻素材は”麻”とは表示できず、指定外繊維(ジュート)、指定外繊維(ヘンプ)等の表示が指定されます。

 

 

リネンについて

やはり麻の中でも最もポピュラーで人気が高いのはリネンではないかと思います。

亜麻は、通常、植物体からスライバーまでをフラックス(Flax)と呼び、糸及び製品はリネンと呼ばれています

リネンも産地や生育環境や紡績方法で呼び名があり、アイリッシュリネン、フレンチリネン、リトアニアリネン等が有名だと思います。

古代エジプトでは、リネンは ”Woven Moonlight(月光で織られた生地)”と呼ばれ、広く神事にも使用されていたそうです。

人類が亜麻(リネン)を使い始めて1万年になるそうで、人類最古の繊維と言われているそうです。

そんな昔から現在まで生活の一部として存在している理由は美しさだけではなく、実用性も伴っているからだと思います。

 (ICHIリネンワンピース)

そんなリネンの主な特徴として有名なのが

  • 吸水・発散性に優れている

リネン素材は、肌にやさしく、サラッとして、爽やかな涼感があるのが大きな特性です。それは、コットンやシルクに比べ、吸水・発散性に優れているため、水分や汗をすばやく吸い取り、かつ発散してくれます。

特に湿度の高い日本の夏には最適な素材ですね。

  • タフで清潔

リネンは天然素材の中で、最も汚れが落ちやすく、洗濯にも強い素材です。繰り返し洗うごとに柔らかさはいっそう増し、白いものはさらに白くなります。

等が有名ではないでしょうか。

とは言ってもやはりデメリットもあります。

縮みやシワが起こりやすい、一般的に染色が難しく色が落ちやすい(加工によっては綿と変わらなく出来るらしいです)摩擦によって白化、毛羽立ちが起きやすい等です。

(YARRA リトアリネンスカート)

良いところも手のかかる所もある”麻”ですが、春夏だけではなく暮らしの中で年中お使いいただけて、使うごとに愛着と柔らかさが増していく、そんな暮らしに近い素材だからこそ今でも世界中で愛されているのだと思います。